2009年10月16日金曜日

患者中心の医療の方法 第6の要素/現実的になる (2)

チームワークとチーム形成

こんな経験はありませんか?
(1)対診の理由を明確にしなかったために、家庭医・専門医ともに必要であるとは考えていなかった余分な検査が行われる事になった。

このような場合、結果として起こる可能性があることは、以下の2つ。
(1)コストの増加
(2)検査を受ける事によって、患者さんの不安が増す

このようなことを防ぐためにも、家庭医は以下のことに注意してみましょう。
(1)よいコミュニケーションをとる(紹介の理由を明確にする)
(2)経過観察をする
(3)専門医の役割を尊重する
(4)患者に合った専門医を紹介する

また、ある研究では、家庭医は紹介するにあたり、紹介状が読みにくかったり患者の現在の治療内容に触れていなかったりなど正確な情報を与えていないと批判されている。

【参考文献】
Judith Belle Brown.2002/山本和利監訳:患者中心のケアーケースブック.184-185,診断と治療社,2004.

研修医の抱える問題の本質を見抜いた指導

今日は研修医のSEA(Significant Event Analysis)でした。

他の指導医のコメントを聞いていて、思わず、「なるほど!」と声を出してしまいました。

そして、問題の本質を見抜ける指導医って、魅力的だなぁと改めて実感しました!

その本質の部分に、研修医が気づいていない時がとても効果的で、指摘をすると、研修医もハッと気づいて、次からの診療が変わる可能性があるんですよね。

そのような本質を見抜いた指導をするためには、何が必要か考えてみました。

(1)研修医が陥りやすい問題点を把握できていること

(2)今の研修医の状況(今の時点での目標や今の診療スタイルなど)が理解できていること

(3)研修医がこれまで研修してきた施設や環境の長所・短所を知っていること

(4)(1)の補足ですが、やはり、研修医の指導の経験があること

などが求められるのかなと思いました。

こんな風に、頭ではわかっていても、なかなか実行が難しい・・・。
他の指導医の素晴らしい指導を目の当たりにすると、ますます、自分にはできるだろうかと不安になる。
でも、前向きに捉えると、素晴らしい指導を目の当たりできたということは、指導の理想の形を見る事が出きて、それに向かって努力していけるとも考えられますよね。

うんうん。

さて、では、どのように努力していくかですが、

(1)は、自施設の指導医と対話を行う。

    (日本家庭医療学会の指導医が集まって、教科書を作れたら素晴らしい!?)

(2)は、目の前の研修医との対話を大事にする。

(3)は、指導医がその施設で研修はできないので、訪問指導に行くなどする。

(4)は、研修医のいる環境で働き続ける。

ことで解決できるのではないかと思っています。

結局は、「毎日精いっぱい生きる事が一番の修行なのです」?!