2009年10月9日金曜日

K先生のおかげ

 今日は室蘭市医師会学術講演会があり、参加してきました。

 テーマは『うつ病』だったのですが、情報交換の場で、演者の先生に質問をして、お話しをしていたら、以前の上司のK先生の同期生の方でした。

 「先生は何科の医者なの?」と聞いていただけたので、「家庭医なんです。」と答えたら、「もしかして・・・」というお話しになりました。

 「北海道家庭医療学センターはK先生が退職されてからも、頑張ってたんですね。」と言っていただき、室蘭工業大学の保健管理センターの精神科の先生を紹介していただけました。

 これで、工大生の患者さんが受診されても、精神科のことなら、相談しやすい環境になりました。

 その先生も、「こういう場で、他科の先生と知り合って、連携していきたいんです。」と言って下さって、ありがたかったです。

 これも、K先生のおかげですね。ありがとうございます!

怒らないこと

 自分の嫌な性格を直すために、最近、『怒らないこと』という本を読みました。

 本日、一緒に働いている医師から、患者さんから怒られて困ったが、自分が直接怒られていたら、冷静に対応できなかったかもしれないという話を聞いて、ふと、この本のことを思い出した。

 過程はどうあれ、怒らせてしまった。

 『怒らないこと』によると、「怒ること」は「不幸なこと」である。

 つまり、怒らせてしまったと言うことは、その人を不幸にしてしまったと言うことである。

 そう考えると、冷静になれないだろうか、と思いついたわけです。

 少なくとも、僕は、これから、怒られてもこのように考えて、冷静になれる気がします。

 上手く実践できたら、報告します〜!

 『怒らないこと』によると、どんな状況でも、「怒らない人」が本当に怒らない人とのことなので、人に怒られるという辛い状況で、自分が怒らない人になっているのか、これから、自分自身を観察していきたいと思います。

患者中心の医療の方法 第6の要素/現実的になる (1)

チームワークとチーム形成

こんな経験はありませんか?
(1)家庭医と看護師の患者へのアドバイスが矛盾していた
(2)グループ診療で、家庭医それぞれの患者へのアドバイスが矛盾していた

このような場合、結果として起こることは、以下の3通り。
(1)患者はどちらのアドバイスも受け入れて困惑する
(2)どちらか片方を信じて、もう一方に不信感を持つ
(3)どちらにも不信感を抱き、医療機関自体に不信感を持つ

いずれにしても、よい結果を生みません。
このようなことを防ぐためにも、チームで以下のことに注意してみましょう。
(1)一般的な問題に関してマネージメントの指針を確立する。
   →その指針について定期的に検討や議論を行うことが重要。
(2)おのおのの患者について定期的に話し合う(場を作る)。
(3)医療チームのメンバーから、患者さんが先述の結果のような状態に陥っている/陥りそうになっているという手がかりが得られたら、それらを全て明らかにする。
(4)意見の違いをもみ消してはならない。さまざまな意見が存在すること認め、それを患者さんに説明し、患者さんが最終的に決定できるように手助けする。
(5)効果的で有用なチームを作り上げるには努力が必要で時間がかかることを認識する。

【参考文献】
Judith Belle Brown.2002/山本和利監訳:患者中心のケアーケースブック.181-183,診断と治療社,2004.

2009年10月4日日曜日

平成21年度 第2回 家庭医療後期研修プログラム指導医養成のためのワークショップに参加して

 上司に機会を頂き、『ポートフォリオ作成支援のABC』のお手伝いをしました。

 実際に、本輪西ファミリークリニックで、どのように支援を行ったのか、実例を紹介させて頂きました。

 準備や実施の過程で、さまざまな気付きがあったのですが、一番の気付きだなと思ったことを書きます。

 それは、ポートフォリオ作成を家庭医療専門医試験の必須条件にしたことで、各研修施設が真剣に家庭医療とは何かを考えることになり、その結果、日本の家庭医療が発展する可能性を感じたということです。

 というのも、指導医は、研修医から研修医の作ったポートフォリオをよりよくするためのアドバイスを求められます。

 となると、指導医は家庭医療を知っておかないとアドバイスができないわけですから、指導医は家庭医療を勉強せざるを得なくなるわけです。

 そうすると、自然と、研修医への家庭医療についての指導もよりよいものになり、研修医がよりよい家庭医に育っていくのではないだろうかと思ったのです。

 ポートフォリオというものを専門医試験に入れるというシステムを作ったことが、このように指導医の行動を変えてしまう可能性があるのではないかと感じました。

 僕は、学生時代に家庭医療を専門にしようと決断した時に、日本全国で家庭医が働くという夢を持ったのですが、夢を実現するためには、その夢が実現するようなシステムを作ることが必要なんだなと思いました。

 学会の理事の先生が「専門医試験にポートフォリオを入れよう」と決断されました。

 このことに、どのくらいの労力を要されたのかどうか、私はわからないのですが、このきっかけやシステムが、日本全国の家庭医を目指す研修医、そして、彼らを指導する指導医を巻き込んで、最終的に、日本の家庭医療のレベルが上がるという大きな変化につながる。

 このようなことを考える機会を頂けたことに感謝です。