2008年2月7日木曜日

運転にご注意を。

 皆さん(特に雪国にお住まいの皆さん)、運転にご注意を。

 多くの方にご迷惑をかけしてしまいました。

 Kamekichiさんも、心配のメールを下さっていたのに・・・申し訳ないです。

家族

 あなたは、どのくらい、あなたのご家族のから、影響を受けてらっしゃるでしょうか。

 今日は、診察の中で、このことを考える機会が多かったです。

 新診療所設立準備という普段しない仕事をしていると、診察という日常の仕事がとても自分を癒してくれる大切な仕事であることに気づきます。

 そんな大切な診察の中で、患者さんから、いろいろなお話を聞かせていただいています。

 一つエピソードをご紹介したいのですが、アパートにお一人で住んでいらっしゃる高齢男性の方で、お隣の部屋の玄関も雪かきをしてらっしゃる方がいらっしゃいました。

 「どうして、他のお家の玄関まで、雪かきされているのですか?」
とお聞きしたところ、
 「父親が子供の頃に掃除の仕方を教えてくれたのだが、その影響で、高校生の頃には、隣のお宅の掃除を手伝うようになった。そのように、子供の頃から教育されているんですよ。」
とお話しして下さいました。

 このように、その患者さんの行動や生き方に、ご家族の影響が見えることが、家庭医の仕事をしているとよくあります。

 家庭医の診察では、患者さんの疾患(風邪や高血圧など)だけではなく、患者さんの病気(風邪や高血圧などに対する患者さんの解釈や期待、感情、そして、生活への影響など疾患の裏にある背景)をお聞きするのですが、それに、いかに家族が絡んでいるかを感じることが多いです。

 自分の考えとは、違う考えを患者さんがもっていらっしゃったときに、「なぜ?なぜ?なぜ?」と質問したくなったときに、直接、「なぜ?」と聞くよりも、ご家族のお話を聞いてみると、その理由がわかり、納得できることがあります。

 だから、家族の背景などを聞くことは大切なんですよねぇ。

 大切だ大切だと教科書で読んでいたのですが、このように経験として実感すると、明日から、診療の武器になります。

 研修医の時には感じられなかった継続性や経験の大切さを今実感しています。

自分を見る目

 今月に入り、新法人設立まで、あと2か月を切って、にわかに忙しくなってきました。

 新診療所で、電子カルテを導入するに当たり、パソコンの購入、プリンターの購入、LANの配線工事などで、いろいろな業者の方にお会いするのですが、人を見る目の大切さを実感しています。

 医療という仕事は、日々、多くの人とお会いするのですが、皆さん、医療を求めて、いらっしゃっているので、その関係は単純です。

 医師と患者という治療関係を結び、お互いに、その枠内で、話をするので、僕自身は医療に専念すればよいので、あれこれ考えることはありません。

 しかし、他の業者の方にお会いすると、その人が信頼できる人物なのか、どこまで仕事をしてくれるのかと、あれこれ考えます。

 このようなことを考えていると、実は、相手も、自分に対して、同じように、信頼できる人間なのか、どこまで仕事をしてくれるのかと、考えているのではないかと思えてきて、自分自身の知識・技術・態度を振り返らざるをえなくなります。

 ほんま、色んな経験させてもらってますわ。

2008年2月5日火曜日

矛盾

 「何かあったら、まず、私(家庭医)にご相談下さいね。」

 診察の最後に、このようにお話しすることがあるのですが、「この言葉は、本当に、患者さんのためになるのか?」と疑問を感じる出来事もあります。

 例えば、高血圧などの慢性疾患があり、私に定期受診していただいている患者さんが、高熱で受診されて、肺炎と診断したとします。

 『これは入院が必要だ!』

 と思ったときに、今の私の働く環境では、入院施設がないので、どうしても、他院に入院をお願いすることになります。

 そのときに、「うちは、満床ですから、他を当たって下さい。」と断られることがありまして、そんなときに、『私を通して、入院の相談をしたために、この患者さんは入院を断られてしまったのではないか。』と思ってしまうんですね。

 つまり、直接その病院に受診されて、『これは入院が必要だ!』となれば、何としてでも、入院させてもらえるのではないかと・・・。

 そうなると、上記の

 「”何かあったら、まず、相談して下さい”は、患者さんのためになるのか?」

 と思ってしまうのですよね。

 昨日の週刊医学界新聞の寄稿の中で、「プライマリ・ケア外来は完全予約制,急性疾患は救急に送る」というところを読んでいたら、日本以外の国では、患者さんは、「『何かあったら、まず、家庭医へ』と説明されているのか?」や、「『家庭医が入院だと思っても、入院施設の事情で入院が断られる』というようなことが問題になっていないのか?」など、疑問が出てきました。

 WONCA(世界家庭医療学会)に参加する機会があったら、他の国の家庭医の先生方に聞いてみたいですっ!