2008年6月9日月曜日

「充分長いてこがあれば、片手で世界を動かしてみせよう」

 昨日は、平成20年度、第1回のHCFMフェローシップが行われました。昨年は、第1回が行われた後、独立に向けての準備などで、2つテーマを終えたところで中断していたので、平成20年度が、フェローシップのスタートの年度になりました。
 今回の講師は、理事長自ら担当で、テーマは「学習する組織」。課題図書として『最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か』を当日までに読み、参加しました。
 課題図書以外にも、多くの研究論文を元に、理事長から、「学習する組織」について、レクチャーが行われました。自分の経験やHCFMの組織としての経験を交えながらのレクチャーで、参加者も、経験を語り、疑問を話すことで、学びが深まりました。本の内容も、読み込んでいたつもりですが、皆と対話していると、より深く理解できました。
 そして、「最強組織の条件」の1つである「システム思考」に関して、ワークショップが行われました。例によって、理事長から、課題が出されたのですが、その課題を解決する中で、「自分たちが日々、家庭医療を実践していることで、それ以上の大きな役割を果たせる可能性がある。」ということを理事長から、提示され、参加者一同、感動を覚えました。
 あるフェローからは、
『最強組織の法則』の最初の一文である「充分長いてこがあれば、片手で世界を動かしてみせよう」の意味が、やっとわかりました!
 との発言があり、皆、家庭医療へのモチベーションが高まりました。
 先日、在宅死を望む人の統計が出ており、私は、日々の診療の実践以外にも、何かしなくてはいけないのではないかと焦りを感じていました。しかし、昨日のフェローシップで、物事を大きく動かすことができるレバレッジを考えるという方法論を学べたので、まずは、日々、家庭医療を実践していくことが大切なんだと思うことができ、今日も、落ち着いて、外来・訪問診療ができました。
 さて、今日は、午後10時から、若手家庭医部会の執行部の初めてのSkype会議が行われます。何が、レバレッジとなるのか、冷静な頭と熱い心で議論したいと思います。
 あっ!
 あと、今朝は、Ian R.McWhinneyの著書『A Textbook of Family Medicine』をもとにした勉強会だったのですが、システム思考を学んでいたおかげで、その内容をより深く考えることができました。僕も、まだまだ、後期研修医やフェローの先生方と家庭医療学を学ぶ毎日です。後期研修医からも、本当に、素晴らしい経験や考察が出てくるので、謙虚にならざるをえません。H先生、S先生、K先生、いつもありがとう。

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